そもそもAORの魅力というのは、何かを背負う事なく
「サラリと聴ける」という処があると思う。
そして、「爽快さ」。
ボクは、それにプラスして、その「爽やかさ」の奥底に脈々と流れる、
そのアーティスト「信念」「筋(すじ)」「想い」というものを
感じ取れるAORが大好きだ。
同じ条件としては、インストゥルメンタル集にも同じ事が言えないだろうか。
特に、HIPHOPでは、「Rap=言葉」と合わさる事によって曲として
完成しているものが多く、聴き手としては、どうしても「言葉」に
引っ張られる時がある。
つまり、"アーティスト主導"な場面が多いという事。
前エントリーもしたが、
18日に発売された
Studio75 "Land Of Eardrum"。
そこにも書いている通り、
聴き手によって、色々な場面に
おいて寄り添ってきてくれる。
ドライブの時も、
満員電車の中でも。
料理を作る時にも、
掃除する時も。
一人昼休みにお弁当を食べる時も、友達が沢山やってくるホームパーティの時も。
楽しい時、寂しい時、涙する夜、幸せを感じる朝。
当然、メッセージ発信がRapの重要な役割であり、聴き手に情景をイメージさせるのが
ラッパーに必要なセンスだと思うが、インストゥルメンタルのように"聴き手主導"なもの、
ことHIPHOPに関しては少ないかも知れない。
そして、そのインストゥルメンタルには、作り手の「信念」「想い」が詰まっており、
それを、ボク達"聴き手"に手渡してくれているという事を忘れてはいけない。
車を運転しながら大声で、 この"Land Of Eardrum"でRapを乗せて、
はたまた唄を乗っけてアズマさんの作り出す世界に、自分を置いて楽しむというのは
何とも贅沢な遊びだろうし、流れていく風景を想いを馳せながら眺めるのもいい。
つまり、このアズマさんの作る「筋(すじ)の通った」ビートというのは、
"聴き手"と"作り手"の共同作業という面を持ち合わせており、
"作り手"から直接、手渡しをされているような感覚なのだ。
前エントリーより、約1か月、車で家で、電車の中で、時にはお風呂の中でも聴きこんだ。
個人的には#1 "New World"、#9 "Lovers"、#10 "Windmills of your Mind" 、
そして#18 "Moonglow"がお気に入り。
貴方もアズマさんからビートを受け取り、
自分なりの世界を作り上げてみたらいかがだろうか。