VOICERATION

勿論、HipHopの要素としてセルフ・ボーストは必要。
自分に自信のない人に、色々と語られるってのも、
聴いている側としても、何だかナァ、とも思う。

でも、あまりにも、そればかりになると、少々ウンザリするもの。
それは、自己賛美というよりも自慢大会。
酒の席でも、自分の自慢話する人は多い。
まぁ、それはそれで面白いのだけれども。

そういう意味では、聴き手に、ちゃんと"語りかけて"いるラッパー
というのは、どれほどいるのだろうか?

4月11日に2ndアルバム"VOICERATION"を発売したBASIクンは、
聴き手に"語りかけて"いるラッパーの一人だと思う。

b0021026_2334179.jpg"VOICERATION"
BASI
(BASIC MUSIC 2012)
このアルバムのビートは、
1曲目"VOCERATION"の
ライムの中にもあるように、
我らがアズマさん
(Small Circle Of Friends/
Studio75/DESIGN)が、担当。
すでに、DESIGNにてBASIクンと
アズマさんの相性は実証済。


この組み合わせだけで、ファンとしてはウハウハなのだが、
一見、DESIGNをアップデートした印象を受けかねないが、全体にちゃんとBASIクンの
「色」が全体に煌めいていて、「想い」を語りかけてくれる。

アルバムにも音にもカッコ良さにも何にも関係ないわい、と云われればそれまでだが、
いつも感心するのが、発売日に、お世話になっている関西のレコード店を
BASIクンは周る。そして、手書きPOPを自分で書いている。
1stの時と同じように、ボクは、そのPOPを読んでからアルバムを手にレジに向かった。
今の時代、そんな面倒臭い事は流行らないかもしれない。
でも、それは、13曲目"クライマックス"のライム中にも出てくる、
"スタッフ/エンジニア/オレの支え/一家団らんライクアサザエさん"達に対しての
「想い」だろうし、その想いを実行した表れをボクのような聴き手に伝わってきたりする。
ボクは、そういう古風な/流行らない事を自然にやってのけてしまうBASIクンを
尊敬しているし、好きだ。

ビジュアルもテクニックも大事。
時にはアメリカのSwag系メインストリームに乗っかっていくのも大事だろうし、
喧嘩は強いし、女にモテてる、刑務所にも入ってた、エエ車乗ってる、
タトゥーもエエのん入れてる、勿論グリルも、怖い仲間も多い、終いには、そばにいるよ、って?
それぞれ色々な「想い」はあるから面白いわけなんだけど、
それが聴き手に通じて、最終的に伝わる、さらに繋がるかどうかまでは不明だ。

アルバム自体に話を戻すと、ボク自身が好きなのは、
まずは、やはり先行Free DLされていた7曲目"スタンダート"。
"夢ならば/覚める頃かな/NOBODY KNOWS/誰一人"という印象的なフックに、
少し物憂げながらもアガっていくようなピアノ・ループが絡みあって、
一気にBASIクンの世界にもっていかれる。
また、2曲目"MAKE ME SMILE"では、BASIクン独特の"語りかけ"を聴けるし、
全体的にMellowな中、ポッセカット的にMCがマイクを回す"NAME"、
男臭くてHipHop臭プンプンの先行マキシCDで発売されていた"未来"などもあり、
決して「JAZZY」などという軽薄な言葉では括ってほしくないアルバム。



来週4月18日には、本アルバムのビート担当、アズマさんと
small Circle Of Friendsのサツキさんで作る音・Studio75名義の
3rd ALBUM"Land Of Eardrum"が発売。

何とも心地良い、素晴らしい春がやってきた。
by shinyasta | 2012-04-12 23:34 | MUSIC


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