I Wish It Would Rain

足早に帰る人が多く、駅にも人が疎ら。
週末の20:00頃、丁度、満員電車のゴールデンタイムにも関わらず、
乗客が少なく、車内は心地好く冷房が効いている。

本来、そこにあるべきものが無い。
本来、そこは人で埋めつくされているはず。
駅のベンチにも、車両にも、バスの停留所にも、誰もいない。
その新鮮さが、妙に心地よかったりする。

b0021026_18413369.jpg"peace talks!"
urbs&cutex
(Hong Kong 2003)
そんな時に、こんなアルバムを
聴くと、さらに気分が高揚する。
オーストリアのユニット・
urbs&cutexは、2001年に発売した
トライブ3rdジャケをサンプリング
した"Breaks Of Dawn"で、一躍
Hiphopリスナーにチェックされる
存在となった。



そもそも、昔のインスト物というのは、どちらかというと"アブストラクトHIPHOP"や
"TRIP HOP"とかいうような意味のわからない括りで混同されてきた時期もあるが、
""HIPHOP INST."というのは、リスニングの観点からも確立されるべきものだと思う。
それを確立していったのが、J.Dilla~Stones Thows勢だったりするように思えるが、
J.Dilla以前においても、トライブ、Beatnuts、BlackStarなどもInst集を
正規でなくともリリースされていた。

つまり、Inst.は1つの作品として聴け、という事がいえるのかも知れない。

確かに、どっちがいい悪いか別にして、Rapが乗っている時とは、
また違った表情(聴こえ方)が「楽しさ」があり、また、Instだけの作品、
所謂、ビート職人達の作品では、そこにあるべきRap(言葉)に頼らないで
ストーリーを展開していく処に醍醐味があったりするものだと思う。

本アルバムに話は戻すと、その「楽しみ」を表したような題名である"Sounds of Joy"。
コツコツと積み上げられていくようなキックとスネアに、ひらひらとウワモノが舞う気持ちよさ。
中盤~終盤にかけてのビートの抜き差しも、別世界に連れ出してくれる。



"Ra Reform"では、ビートが先攻しながら、スクラッチが入っていき、
やがてRapが乗っかってくるという、まさに「HIPHOP印」な1曲。
それは、軟弱に思われがちな"JAZZY"という言葉に対する回答のようで、
思わず首を振ってしまう。




b0021026_18415349.jpg"A Strange Arrangement
Instrumentals"
Mayer Hawthorne
(Stones Throw 2010)
こちらは2009年発売の
Mayer Hawthorneのアルバム
のInst集。
その歌い方を含めて
「もっちゃり感」が魅力的
なので、こればかりは
どちらが良いとか悪い
とか言えない。


勿論、音もMayer Hawthorne自身が作っているが、前述したように、
歌が抜けた音は、まさに違った表情を見せてくる。
逆に言うと、Inst.で通しで聴くと、かなりスマートというか、
「男前」に聴こえてしまう曲もあって、それも良いのだが、なるほど
あの歌声があるから、あのバランスなのか、と思い知る事になる。

本アルバム、よくレコード屋さんのレコメンでは「晴れた日に聴きたい云々・・・」と
書かれていますが、逆に、雨降りの日や、こういう台風の時に、
家で聴く方が、Mayer Hawthorne自身の「根暗でオタクな」部分が
愛すべき素晴らしさという事に気づくことができるかもしれませんよ。笑。



本来あるべきモノが無いという心地良さは、
本来あるべきモノの良さをしっているからこそ感じられる。
それを忘れてはいけない。
by shinyasta | 2011-09-03 18:47 | MUSIC


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